顎関節症と唾液の働きによる消化吸収
唾液腺の多くは顎関節や唇の周囲に存在しますから、顎関節症による顎のゆがみにより唾液腺を圧迫することで口内環境が悪化による唾液分泌異常になり、唾液の質と量の異常を招いて口の渇き(口内乾燥症、ドライマウス)などを招いてしまいます。
消化吸収の要である唾液腺は、大唾液腺の耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つと、5つの小唾液腺である口唇腺・頬腺・舌腺・口蓋腺・洗浄腺の合計8種類も備わり、成人で1日あたりに1~1.5リットルの唾液を分泌すると言われています。
これは1日あたりのお小水(小便)の量とほぼ同じくらいを出しているくらいですから、これが滞ったり出過ぎたりすると快食・快便の妨げになり、飲食物からの滋養の吸収もうまく行かず、体調不良を引き起こす一つの原因となってしまいます。
第一歩の消化吸収からのつまづきとなり、唾液の消化酵素による飲食物の分解が不完全なかたちになり、まず胃腸に余分な消化のための負担をかけて消化吸収のメカニズムをくるわせてしまうことで、しいては内臓疾患にも結びつき胃痛や便秘症、肌荒れ、むくみに結びつきます。
◎ 唾液に含まれる主な分泌物質です。
◇ アミラ-ゼ・・・・澱粉(デンプン)を体内に吸収しやくする分解消化酵素
◇ リパ-ゼ・・・・・脂質の分解消化酵素
◇ プチアリン・・・・糖の分解消化酵素
◇ パロチン・・・・・老化を防止するホルモン
◇ ムチン・・・・・・粘り気のある食物を嚥下(えんげ)しやすくする高分子糖蛋白
◇ アルプミン・・・・口内乾燥を防ぎ、口の中を滑らかにする血漿蛋白(けっしょうたんぱく)
◇ リゾチ-ム・・・・抗菌作用の働きがある蛋白
◇ ラクトフェリン・・抗菌作用の働きがある物質
◇ ペルオキシダ-ゼ・活性酸素の除去作用をする酵素(がん予防でも注目)
※ 唾液分泌は摂食行動との関連が深いのですが、自律神経である副交感神経と交感神経の拮抗作用で分泌をコントロールしている面もあり、交感神経優位では粘った唾液が、副交感神経が優位では、さらっとした唾液が多く分泌されます。
※ 正常な唾液分泌は、私たちが生きていく上で必要不可欠なものであり、なおかつ体調維持と健康管理には重要なウェートを占めていることを認識すべきなのです。
※ 咀嚼運動の特徴は、口の中に入った食物を噛みながら唾液と混ぜ合わせて食道から胃へと運ぶための、顎・舌・顔面の筋のリズミカルな協調運動なのですから、顎関節症は咀嚼運動をも妨害してしまいます。
◎ 顎関節症に付随して現れる症状
耳の異常(耳の痛み・難聴・耳鳴り・耳管閉塞症・耳管開放症)
平衡感覚異常(めまい・立ちくらみ)
頭痛・偏頭痛
肩こり・肩関節痛
腰痛
股関節痛
膝の痛み
※ 顎関節・肩関節・股関節は、同時期に連動して位置異常を来しますので、肩関節痛や股関節痛あるいは膝関節痛と 顎関節症を併発しやすいのです。
顎関節症は、唾液分泌異常から咀嚼運動そして消化吸収作用の妨げになりやすいのです。 |